これまでの半世紀を振り返れば、人類の生命と健康の可能性は歴史的な転換点に立っていると思われます。生命を支える膨大なエネルギーの推移、平均余命の急伸、主たる死因の交替。こうした、私達が生きていく上で基本となる要件が、かくも鋭く変化した時代はかつてありませんでした。その中で、衛生薬学を研究する私達が関わり得る範囲で、こうした状況に課題を考えようとすれば、生きる基本である化学エネルギー・食物・栄養の摂取、すなわち「生命と化学物質の制御」という課題について、これまでになく広範かつ深い理解を求めて研究教育体制を組み替えていくこと、そういっても過言ではないでしょう。
今年のフォーラム2012では、健康を食物・化学物質の理解から議論できれば、と思います。そこで、本フォーラムのテーマを「生命プログラムの最適化と健康寿命」としました。日本人の平均余命は飛躍的に延伸し、私達は健康的な生活様式を確立したかのように思われますが、この平均余命の伸びには食物の大量生産・消費によるエネルギー摂取が大きく寄与しています。そのことから、これまで顕在化していなかった生活習慣関連疾患をはじめ、悪性新生物、糖尿病などといった新疾患が、新たな健康寿命の「壁」となってきています。この「壁」を乗り越えるためには生命プログラムの最適化を考え、健康寿命を延伸できるのか、科学的な議論を展開していく必要があります。本フォーラムが、こうした取り組みの一助となることを祈念しています。
本フォーラムでは、口頭およびポスターによる一般講演に加えて、特別講演、教育講演、各種シンポジウム等を予定しております。ぜひ、日頃から研究されている課題について発表頂くとともに、活発な討議を通して楽しく実りあるフォーラムになるようにご協力頂ければ幸いです。また、衛生薬学に関心を持たれている多くの方々にもご参加頂き、実りある会になることを願っています。
尾張名古屋は、木曽から檜の供給を背後に控えて、優れた職人を輩出してきた永い伝統をその系譜としながら、モノづくりの中心であることを自負してきました。それとともに、近年の健康寿命の統計では、愛知県が日本一であるように、健康長寿への思い入れは半端なものではありません。会期の前後を通じて、どうぞ心行くまで東海の心意気を堪能して頂ければ幸いです。
今年のフォーラム2012では、健康を食物・化学物質の理解から議論できれば、と思います。そこで、本フォーラムのテーマを「生命プログラムの最適化と健康寿命」としました。日本人の平均余命は飛躍的に延伸し、私達は健康的な生活様式を確立したかのように思われますが、この平均余命の伸びには食物の大量生産・消費によるエネルギー摂取が大きく寄与しています。そのことから、これまで顕在化していなかった生活習慣関連疾患をはじめ、悪性新生物、糖尿病などといった新疾患が、新たな健康寿命の「壁」となってきています。この「壁」を乗り越えるためには生命プログラムの最適化を考え、健康寿命を延伸できるのか、科学的な議論を展開していく必要があります。本フォーラムが、こうした取り組みの一助となることを祈念しています。
本フォーラムでは、口頭およびポスターによる一般講演に加えて、特別講演、教育講演、各種シンポジウム等を予定しております。ぜひ、日頃から研究されている課題について発表頂くとともに、活発な討議を通して楽しく実りあるフォーラムになるようにご協力頂ければ幸いです。また、衛生薬学に関心を持たれている多くの方々にもご参加頂き、実りある会になることを願っています。
尾張名古屋は、木曽から檜の供給を背後に控えて、優れた職人を輩出してきた永い伝統をその系譜としながら、モノづくりの中心であることを自負してきました。それとともに、近年の健康寿命の統計では、愛知県が日本一であるように、健康長寿への思い入れは半端なものではありません。会期の前後を通じて、どうぞ心行くまで東海の心意気を堪能して頂ければ幸いです。
フォーラム2012:衛生薬学・環境トキシコロジー
実行委員長 小嶋 仲夫
(名城大学薬学部 衛生化学研究室 教授)
実行委員長 小嶋 仲夫
(名城大学薬学部 衛生化学研究室 教授)