|
夏 松島や涼風のなか船はゆく 有路八千代 夏 何処をめざす梅雨明けの空 桂 重俊 夏 青にほふ赤茄子の芽を掻き取りて 菊地栄子 雑 峠の坂をけもの去りたり 八乙女由朗 月 満月に届けとばかり笛を吹く 丹治久惠 秋 濁り酒汲むうるしの椀に 有路八千代 秋 霧ふかき里に根づきしものがたり 鈴木c子 雑 相撲甚句を友より習ふ 林 順一 ウ 雑 益子焼皿に画かれし鯛踊る 大和類子 雑 ゆくもゆかぬもあかるき浜辺 菅野哲子 述懐 累累と罪をかさねて来しなれど 由朗 述懐 平らなる世ぞあらまほしかる 原田夏子 冬花 さざんくわの花びら散りてゆく小路 久惠 冬 朝のしじまに冴ゆる風音 菅野美子 冬 団欒はみかんのかごに集りて 類子 旅 はじめての旅神田歌会 重俊 春旅 吉野行西行庵にさくら咲き 由朗 春月 おぼろの月を窓に眺むる 順一 春恋 結び文春の袂にそつと入れ 夏子 春恋 君により添ふ若芝の上 八千代 雑 能楽堂軒にしばしの雨やどり 美子 述懐 封印ひとつほどかむとせり 久惠 二オ 述懐 大空に羽ばたくものに言告げむ c子 雑 後継ぎのなき 神祇 舞ひをはる金色の鈴振りかざし 栄子 春 曲水の宴酣にして 重俊 春 磯あそび小蟹のあまた息を吸ふ 哲子 春 餅草摘みて野を渡りつつ 由朗 雑 明日は晴予報を頼み準備する 重俊 夏 旱つづきを嘆くこゑごゑ 夏子 夏月 行水のたらひにゆるる昼の月 美子 雑 評判高き暖簾をくぐる 八千代 述懐 口数の少なきことも親に似て 順一 述懐 心おきなく片付けをせむ 栄子 恋 初恋のひとの横顔くきやかに 哲子 恋 逢瀬なりせばおのづともゆら 久惠 二ウ 恋 幾山河こえて燃えとぶ鳥あらば 伍井さよ 恋 指切りせしを忘れしならむ 本木定子 雑 歳時記にやまとことばの美しく 佐藤淑子 雑 茜になびく雲を見てゐる c子 雑 遠くより聞こえてくるはわらべうた 類子 雑 住みつきてはや三十五年 栄子 旅 連なりてらくだは丘をのぼりゆく 八千代 釈教 僧の首すぢ白くさゆるも さよ 冬 咲き揃ひ庭をにぎはす 冬 独りの卓は湯気立つ雑炊 淑子 月 月影を背に負ひかへる陋屋へ 類子 秋 川面の映すひとむら芒 美子 秋花 花火師に笑みの浮かべり宵の口 c子 秋 虫の音絶えし刈田の道を 順一 三オ 冬 雑 紅緒の草履捨てがたくをり さよ 春 学び舎の風鞦韆をあそばせて 定子 春 ひばりの声のはたと止みたり c子 春 実朝の歌集をひらく春の縁 淑子 秋 肩に落ちたりまろき木の実は 久惠 秋旅 熊野岳もみぢながめて辿りしか 重俊 月 十六夜の月あまねく照らす 哲子 釈教 亡き姉と共に誦したる般若経 類子 釈教 譲り受けたし古き仏画を 夏子 旅 伊豆の宿決まり出発するばかり 栄子 雑 こけしきぼこの子を消す由来 久惠 冬恋 角巻に顔をかくせる出逢茶屋 順一 冬恋 ちり鍋かこみその後のふたり 類子 三ウ 神祇 頭垂れ祝詞を聞きぬ地鎮祭 淑子 春 そよぐ葉裏に山繭ねむり c子 花 押し花の栞を求め帰りきぬ さよ 春旅 雑 漢文の日誌読まむと宸記 雑 町の世話役見廻りにくる 夏子 夏 蚊やり火の杉の小枝を折りくべて 順一 夏 単衣の袖に香を忍ばせ 久惠 恋 会ひあふは夢のまたゆめ胸のうち 類子 恋 恋 白き手に琴をかなづる想夫恋 定子 雑 宝物なれば秘しておかまし 哲子 月 月光を額に受けて 秋 勲章のごとゐのこづちつけ 栄子 名オ 雑 縄文の土器の出づると人走る 八千代 秋 錦木いたく 月 かぐや姫月に還ると装ひぬ 重俊 秋 わらさ塩焼 秋恋 さ男鹿は峰をへだてて呼ばひゐる 夏子 恋 乱れし髪もやうやく整ふ 淑子 恋 うたた寝のみじかき愛を惜しみけり 美子 恋 ただいちにんにさし出す返歌 久惠 神祇 墳の内四神にはかに息づきて 順一 神祇 やとはれ巫女の初うひしさに さよ 冬 近頃は暖冬つづき事のなし 重俊 冬 冠雪まぶし蔵王のいただき 八千代 雑 さくさくと菜を刻みゐる夜の厨 夏子 雑 うそぶきにつつ妥協をしたり 栄子 名ウ 雑 けふはけふあすはあすとて朝風呂に 順一 雑 色あたらしきくちべに選ぶ 淑子 春 生まれしはお堀の柳北の国 栄子 花 見渡す限り波の 春 幾度も麦踏む親子行きもどる 定子 春 山焼く煙ひたすら高く 類子 雑 雲のはて翼を広ぐ覇者のごと 久惠 雑 昂ぶり集ふこよひの宴 淑子 |
八千代 七 | 重俊 九 | 栄子 八 | 由朗 四 | 久惠 九 | c子 七 | 順一 八 |
類子 九 | 哲子 六 | 夏子 九 | 美子 六 | さよ 六 | 定子 五 | 淑子 七 |
〈一首評〉
『波の輪』 桂 重俊歌集 |
(丹治 久惠) |
『生くる日』 原田夏子歌集
|
(大和 類子) |
穴山恭子さんを偲ぶ
|
(原田 夏子) |
前回以後の会の歩みは次の通りである。
歌話会の歩み
|
||
2009年 | 9月27日 | 『菅野哲子全歌集』合評会 |
10月25日 | 歌会 | |
11月22日 | 北杜歌人XVIII号合評会 | |
12月5日 | 総会及び懇親会 於 銀禅 | |
2010年 | 1月24日 | 歌会 |
2月28日 | 熊谷淑子歌集『風光る』合評会 | |
3月28日 | 桂重俊歌集『波の輪』合評会 | |
4月25日 | 歌会 | |
5月6日 | 桂重俊歌集『波の輪』出版記念会 | |
5月23日 | 歌会 | |
6月27日〜28日 | 一泊連歌の会 於 松島かんぽの宿 | |
7月25日 | 歌会 | |
8月22日 | 原田夏子歌集『生くる日』合評会 |