「仙台歌話会」、「北杜歌人」の歴史について


本年は「仙台歌話会」創立三十年、「北杜歌人」二〇号の記念すべき年であるので会の歴史、創立以来の会員の歌集、連歌の記録を加え、また特集は「私と三・一一」とした。先ず歴史をのべる。
昭和五十六年四月、結社の枠をこえて写実と象徴を結ぶ超党派的な歌人のグループをつくり、研鑽に励もうと小林明氏が主唱し、賛同者が集まって「仙台歌話会」が成立した。私は設立準備委員会には参加しなかったが誘われて、これは森鷗外の観潮楼歌会に繋がるものと考え入会した。初めの頃は隔月に荒町の市民福祉会館において行われ、第一回は六月七日である。第三回十月十日には私が当番にあたり、難解歌として塚本邦雄について論じあった記憶がある。五十七年八月には後藤左近氏により「北杜歌人」第一号B5版十頁が発行された。各自五首で出詠者二十四名、文章の寄稿者五名、会員の歌集評三冊、歌誌広告十三誌であった。この二十四名の大部分は故人となられ、当時の会員は現在四名となってしまった。
昭和六十一年一月「北杜歌人」第二号、平成元年十月第三号が発行された。第二号から連歌の掲載が始まり、これは「北杜歌人」の特色のひとつとなった。第二号の元寺小路百韻は自注がついているのが面白い。第三号には大槻博司氏が昭和二十七年頃存在した「もう一つの仙台歌話会」について述べている。
一九九一年「北杜歌人」第四号が発行された。以後判型をA5版とし、九一年から九九年まで隔年発行、九九年から毎年発行とした。二〇〇〇年から二〇〇三年まで歌だけの号と歌と文章の号とを隔年に発行したが、二〇〇三年からは毎号歌と文章を載せることとした。連歌は毎号掲載である。一五号から毎月の歌会詠草をものせることにした。詳細は付表をご覧頂きたい。

(桂  重俊)



  会員数 特集 文章 連歌 発行年 発行月 サイズ 頁数 発行人 1首評 歌会詠草
Ⅰ号   24 7   1982 8月 四六倍版 10 後藤左近 3  
Ⅱ号 21 忘れ得ぬ一首 17 18 1986 2月 四六倍版 30      
Ⅲ号 25 多く飲食の歌 18 17 1989 10月 四六倍版 20 大槻博司    
Ⅳ号 26 ふたたび多く飲食の歌 14 14 1991 10月 A5 31 柴田康子    
Ⅴ号 19 愛の歌 16 13 1993 10月 A5 35      
Ⅵ号 19 戦後五十年 17 13 1995 8月 A5 33 原田夏子 4  
Ⅶ号 19 旅の歌 16 15 1997 8月 A5 34   3  
Ⅷ号 20 私の好きな歌 18 15 1999 9月 A5 37   3  
Ⅸ号 20   18   ○○ 2000 7月 A5 27 桂 重俊    
Ⅹ号 20 社会詠をめぐって 18 15 2001 9月 A5 47   1  
Ⅺ号 21   20   2002 8月 A5 29      
Ⅻ号 21 挽歌 19 15 2003 8月 A5 57    
ⅩⅢ号 21 さくら 19 16 2004 8月 A5 50   1
ⅩⅣ号 21 戦後六十年 15 14 2005 10月 A5 49    
ⅩⅤ号 19 私と短歌 18 13 2006 10月 A5 47    
ⅩⅥ号 20 相聞の歌恋の歌愛の歌 18 10 2007 10月 A5 48   1
ⅩⅦ号 20 花の歌 17 13 2008 10月 A5 46   1
ⅩⅧ号 22 山の歌 20 16 2009 10月 A5 54   3
ⅩⅨ号 23 海の歌 18 16 2010 10月 A5 49   2
ⅩⅩ号 18 16 15 2011 10月 A5 45   1

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