日の丸は戦死者の血 加害者となりし過程も知らず海境
揚羽蝶ひらひら昼は誰からも置き忘れられて存(なが)らうがごと
廃線のごとく電車の間遠なれば春の一日はかげろう軌道
闇の中に何を見据うる梟の大き眼(まなこ)ははだけたるまま