実行委員長挨拶
第4回医薬品毒性機序研究会を2021年12月16日(木)〜17日(金)の2日間の日程で開催させて頂きます。当初、実行委員長が所属する東京農工大学の農学部本館講堂での開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の終息が未だ不透明なため、WEB開催とさせて頂きました。
今回は、タイトルをまさに本研究会の趣旨に即した形で「進化するモダリティと新技術の展開」として、4つのシンポジウムを企画致しました。その1つとして、実行委員長の専門性に関連した特色を出すために、日本毒性病理学会が協賛する形で、オルガノイド技術が創薬のみならず、病理学的なアプローチで毒性の発現機序に肉薄できるかについての講演を企画致しました。また、今や日進月歩の医薬品モダリティに対する安全性を担保するためのアプローチ、毒性機序解明に用いられる様々な基礎技術開発や、動物を用いずに毒性や安全性を評価する技術につきましても、シンポジストの方々に最新の話題をご提供頂きますので、参加される皆様方と活発な討議のできる場にしたいと思っております。
講演につきましても、実行委員長の専門性を活かした企画として、病理とエピジェネティクスのキーワードで2つの講演を企画致しました。我々病理研究者は2次元の病理形態情報を主に扱っておりますが、特別講演では、3次元情報を可視化することでビッグデータ解析の端緒を開くこととなりました、組織透明化技術とライトシート顕微鏡について、その開発の先駆者である東京大学の上田先生に話題提供をお願い致しました。また、教育講演におきましては、様々な生命現象のみならず、癌をはじめとした様々な疾病への原因的関与が知られるようになってきたエピジェネティクスにつきまして、その分子基盤から臨床応用までの幅広いテーマについて、大阪大学の仲野先生に軽妙な語り口で解説して頂きます。
また、e-ポスターによる一般発表を募集致します。医薬品毒性に関連した研究成果について幅広い分野からご発表頂きたいと思います。特に若手の先生方には、優秀発表賞の授与もございます。何とぞ、奮ってご応募頂きますようお願い致します。
前回に続いて、今回も懇親会を開催できずに寂しい感はございますが、有意義な研究会となりますよう、関係者一同準備を進めております。
最後に、本研究会の開催にあたり、ご講演及び座長の労をお執り頂く先生方をはじめ、準備期間からご助言・ご協力を頂きました方々に心より御礼申し上げます。
第4回医薬品毒性機序研究会 実行委員長
東京農工大学大学院 共同獣医学専攻 獣医病理学研究室 教授
渋谷 淳