本大会は、現在の社会情勢を鑑み、対面開催とオンライン開催のハイブリッド形式で実施いたします。昨年度大会の先進的な取り組みを活かしつつ、ブリーフセラピーの原点を大切にするそんな大会を目指しています。
大会テーマは、『変化と持続 ―変われば変わる程、同じこと―』です。
ブリーフセラピーを学んでいる皆さんは、この言葉にピンとくるものがあると思います。昨年一年間はコロナ禍によって様々な面で変化を強いられました。特に、学会、研修会はオンラインでの開催がほとんどになりました。また、オンラインでカウンセリングを行うようになった方もいらっしゃるのではないでしょうか?オンラインという新たな形態に「変化」したとしても、我々がこれまで大切にしてきた部分というのは持続していく。そんな思いも込めて大会テーマといたしました。ぜひお楽しみください!
プロフィール
吉川 吉美(よしかわ よしみ)
1951年生まれ
愛知学院大学心身科学部心理学科教授、華東師範大学客員教授(中国上海)
ウエルライフ推進協会理事長
臨床歴は、某医療機関(27年)吉川心理相談室(2年)、いわき明星大学心理相談室(6年)、愛知学院大学心理相談室(現)、三河病院(現)計約48年
要 約
吉川先生が行われた臭覚障害のクライエントとのセッションをお届けします。コロナに感染しその後嗅覚障害が残っていた青年が一回の施行で回復した様子が収められています。吉川先生より「参加者は動画をご覧になりながら治療のエッセンスは何かを考えて頂きたい」とのお言葉を頂戴しております。大会番組Brief Night NIPPONの吉川先生の回をご視聴いただいた上で、本ワークショップを視聴されますと、より理解が深まります(大会事務局記載)。
プロフィール
佐藤 宏平(さとう こうへい)
山形大学地域教育文化学部 教授 博士(教育学)
専門:家族心理学、臨床心理学、生徒指導
資格:公認心理師、臨床心理士、シニアブリーフセラピスト
山形大学地域教育文化学部において学部、大学院の講義、ゼミを担当するかたわら、教職研究総合センター附属心理教育相談室にて大学院生と地域の相談にあたっている。また、地域の中学校、高校におけるスクールカウンセラー、病院等の相談員として相談活動に従事している。
要 約
「ブリーフセラピー」は、1967年、フィッシュ博士によって、“Brief Therapy Center”が開設されたことに端を発します。本WSは、MRI問題解決アプローチ、並びにBFTC解決志向アプローチの基本概念・技法について、わかりやすく解説する初学者対象のミニオンラインレクチャーです。ブリーフセラピーを学び始めた方はもちろん、ブリーフにブリーフセラピーの基本を振り返りたい中級者以降の方にもお薦めです。
プロフィール
狐塚 貴博(こづか たかひろ)
名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授。臨床心理学、家族心理学に基づき、心理臨床場面で出会うさまざまな課題や問題について、個人の在り方を尊重しつつ、環境や人間関係との“つながり”から理解し、援助する基礎理論と方法論を研究している。
要 約
解決志向アプローチ(Solution Focused Approach: SFA)は、クライエントの強みに着目し、セラピストとクライエント間に良い治療関係を維持しながら、共に解決を構築するアプローチです。また、現実の制約の中で、実用性が高く、効果的な側面も持ち合わせています。本ワークショップでは、基礎にして最も重要な、問題にまつわる規則的相互作用からの逸脱、ゆらぎを意味する例外(exception)にテーマを絞り説明します。内容は初学者向けのベーシックなものです。
プロフィール
生田 倫子(いくた みちこ)
神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部 准教授
教育学博士 公認心理師 臨床心理士 ブリーフセラピストシニア 家族心理士
日本ブリーフセラピー協会理事長、日本家族心理学会常任理事。
大学教員の傍ら臨床活動も行う。家族や会社組織の諸問題を扱うブリーフセラピー、コンサルテーション、家族心理学、家族療法が専門。
著書「ブリーフセラピーで切り抜ける対人トラブル即解決」日総研出版
要 約
「クライアントが他のセラピーを受けたものの、こじれたり揉めたりフェイドアウトして、ブリーフセラピーに流れ着いてきたケースにどう対応するか」というお題をいただきました。確かに、私の臨床を振り返っても様々なケースが思い起こされます。本来の「問題」にセラピーへの疑問や不信感も上乗せされている場合、第一回面接をどう進めていくかは確かに難易度が高いかもしれません。仮想事例を用いつつ、ポイントを解説していきたいと思います。
プロフィール
戸田さやか(とだ さやか)
大学院修了後、児童虐待・養育困難・発達障害・非行などの家族支援を行う行政機関に勤務。現在は主に生殖心理カウンセリング、オンライン妊活支援サービスのコンテンツ作成、企業のコンサルテーションを行う。
資格:臨床心理士、公認心理師、ブリーフセラピストシニア、生殖心理カウンセラー、がん・生殖医療専門心理士
所属:株式会社ファミワン、はらメディカルクリニック、NFBTカウンセリング・オフィス東京室長、道玄坂ふじたクリニック
要 約
誰もが必ずセラピーの記録を残すでしょう。きっと職場ごとに様式があり、皆さんもそれに準じて記録を書いておられるのではないでしょうか。記録の目的、ジェノグラムをはじめとした基本情報の書き方を学んだ方は多いと思います。
本WSでは記録の書き方の基本をおさらい…するのではなく、ブリーフセラピーだからこその記録の活かし方について、私が恩師や先輩方から学んできたことをお伝えしようと思います。どうぞ、紙とペンを用意してご視聴ください。
プロフィール
若島 孔文(わかしま こうぶん)
東北大学大学院教育学研究科教授。
日本心理臨床学会代議員、日本家族心理学会理事長、IAFP(国際家族心理学会)副会長、東北森田学習研究会会長など。
要 約
このワークショップでは、短期療法家としての森田正馬先生に迫るものです。歴史上、理論と実践が体系的に整えられた最初の精神治療法が精神分析だとすると、ほぼ同時代に生きた森田正馬の考案した精神治療は歴史上二番目のものであると言ってよい。本ワークショップは、森田正馬の「誕生」、「何を学んできたのか」、「様々な人との交流」から「森田療法の概観」、「短期療法との共通性」について論じていきます。
プロフィール
野口 修司(のぐち しゅうじ)
香川大学医学部臨床心理学科准教授。東北大学大学院博士課程後期修了。博士(教育学)。公認心理師。臨床心理士。日本ブリーフセラピー協会香川支部代表。ブリーフセラピーしか学んでこなかった人。
東海林 渉(しょうじ わたる)
東北学院大学教養学部人間科学科准教授。東北大学大学院博士課程後期修了。博士(教育学)。公認心理師。臨床心理士。認知行動療法を学んで十数年、ブリーフセラピーは眩しすぎて学んでこなかった人。
要 約
ブリーフセラピーに興味を持った方の多くは、認知行動療法との違いについて一度は疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。両者は「似て非なるもの」なのか、「大同小異」なのか…。融合することが可能なのか、水と油なのか…。本ワークショップでは大学院時代の同輩であり、それぞれのセラピーを学んできた講師2人の間で、認知行動療法とブリーフセラピーの狭間について「桶狭間の戦い」の如く激論を交わしていきたいと思います。
プロフィール
松本 宏明(まつもと ひろあき)
志學館大学准教授
公認心理師・臨床心理士・ブリーフセラピスト・シニア
ブリーフセラピーの魅力のひとつは、臨床観を支える認識論だと思います。私はもとは社会学専攻でしたが、ベイトソンが好き過ぎてブリーフセラピーの世界に入り、メタ理論「情報的構成主義」を提示するに至りました。マニアックになりがちな認識論を、歴史的な成立背景と併せて伝えることで、みなさんの臨床観と結びつくよう伝えていきたいと思っています。
要 約
第1回ドン・ジャクソン賞記念講演でのベイトソンの講演録が残っている。ベイトソン・プロジェクト終了8年後の1970年、MRIメンバーを前に語られるベイトソン自身の声は、両者の関係についてのいわくありげな雑音を一気に吹き飛ばす。WSでは、本講演録や弟子の伝記を紐解く。プロジェクト時のウィークランド、ヘイリーらMRIメンバーとの関係性や、各メンバーの臨床観や問題観もなぞることで、本協会が重視するブリーフセラピーの源流に、皆さんとともに迫っていきたい。
プロフィール
張 新荷(チョウ シンカ)
中国西南大学心理学部 講師。臨床心理士、中国心理学会臨床心理学登録システム登録心理士。現在は、臨床心理学を専門とする大学生や大学院生、小・中・高等学校のスクールカウンセラー(SC)など、MRIブリーフセラピーや解決志向ブリーフセラピー(SFBT)を教えている。大学生のインターネット依存に解決志向グループセラピー(SFGT)の応用に関する実証研究を進めている。
要 約
このワークショップでは、近年、中国のブリーフセラピーの動向と展開について紹介する。まず、ブリーフセラピー、特にSFBTの学習プログラムの内容について紹介する。また、様々な臨床領域におけるSFBTの応用や介入研究に触れる。ブリーフセラピーを実践している方や、ブリーフセラピーに関する実証研究を行っている方にぜひ受講していただきたい。
プロフィール
森川 夏乃(もりかわ なつの)
愛知県立大学 講師。臨床心理士、公認心理師。東北女子大学、愛知教育大学を経て現職。SCや心療内科にて子どもの心身症にしばしば遭遇することがあったため、ここ数年は起立性調節障害の子どもを持つ家族について研究、臨床をしております。
要 約
心身症の理解と支援には、個人と環境の相互作用の視点が役立ちます。このワークショップでは、起立性調節障害という疾患やその支援ニーズについて紹介します。そのうえで、起立性調節障害の子どもを持つ家族に対する心理支援について紹介していきます。学校現場や医療現場等で起立性調節障害の子どもと関わる機会のある方など、ご参加ください。
プロフィール
岩本 脩平(いわもと しゅうへい)
ファミリーカウンセリングルーム松ヶ崎ふくらむ代表カウンセラー。
臨床心理士・公認心理師。短期療法を学ぶ会京都支部プログラム講師。
同志社中学校・高等学校特別支援教育指導員、京都市スクールカウンセラーとして教育とかかわりを持ってきました。様々に悩みを抱えている子どもたちと、そのサポートをしてくださるご家族や先生方が、ほんの少しでも笑顔になれるような実践を目指しています。
要 約
昨年度のWSでは不登校事例を取り上げて、時系列に沿ってケースフォーミュレーションを行いました。当然ながら、スクールカウンセリングでは不登校以外にも様々なケースと出会います。本WSでは複数の架空事例に対する見立てと対応を紹介します。研修会で学んだブリーフセラピーの理論や技法を、学校現場で応用する際の参考にしていただければ幸いです。
プロフィール
森川 友晴(もりかわ ともはる)
チェリッシュグロウ株式会社 代表取締役
大学卒業後、株式会社モスフードサービスに入社。モスバーガーの店長、人事部、教育部にて勤務。35歳で転職し、研修会社の商品開発部の課長職。40歳でブリーフセラピーに出会い、それがきっかけで起業。今は企業向けコンサルタントとスクールカウンセラーの2足のわらじ。
公認心理師とビジネスコーチとキャリアコンサルタントの3刀流使いです
要 約
本ワークショップは産業領域におけるブリーフセラピーの活用について扱います。システム論を持つブリーフセラピーは、組織での活用に有効な場面が多く、まさに産業領域には活用すべき場面が多く存在します。
本ワークショップでは、女性活躍推進のケースや組織開発のケースなど、具体的な活用事例をお伝えします。企業の人事部の方、産業カウンセラーやキャリアコンサルタント資格を持ち、企業内で活躍する方々などが活用イメージを持つことができることを目指します。
プロフィール
平泉 拓(ひらいずみ たく)
宮城大学看護学群 准教授。博士(教育学),公認心理師,臨床心理士。
仙台市スクールカウンセラー,日本学術振興会 特別研究員,東日本PTG心理社会支援機構 相談員,宮城大学学生相談室 カウンセラー,東北福祉大学総合福祉学部 助教を経て現職。その他,国立病院機構仙台西多賀病院 非常勤心理士,慈慶トータルサポートセンター カウンセラー,介護労働安定センター宮城支部 ヘルスカウンセラー,(株)manaby 顧問,VCPカウンセリングオフィス仙台主宰 他。
要 約
産業臨床では,介護に関するストレッサーのある人が,病院臨床では,高齢者を介護する家族が来談されます。福祉臨床では,将来,心理師と介護職の協働的なケアが実現するかもしれません。近年は日本老年臨床心理学会が設立し,介護者家族への心理支援が注目されています。本ワークショップは,介護者家族に対するエヴィデンスに基づく心理支援を学び,おそらく介護者支援の標準形になる遠隔心理支援についても部分的に学ぶことができる機会にいたします。
プロフィール
新谷 宏伸(にいや ひろのぶ)
群馬大学医学部卒,精神科医,現USPT研究会理事長。本庄児玉病院で解離症専門外来を開設し,これまでに解離症100名以上の患者の治療にあたる。その傍ら,シンプルにパッケージ化されたパーツセラピーであるUSPTの研修(基本的な心理臨床の素養がある方は,2日間のトレーニングで修得可能)を,日本各地で行っている。著書に『USPT入門―解離性障害の新しい治療法』(共著)が,論文に『Interactional Mind 2020』『家族心理学年報 第39号』がある。
要 約
ICD-11に収載された複雑性PTSDは,今後,臨床家にとって不可欠な視点となるでしょう。同タイトルの2020年WSに引き続き,第「2」弾と銘打った今年は,恒例の「ひとりワーク」で,治療の初期段階から意識したい二項目にスポットを当てます。一)「パーツの分離」という文脈からのノーマライズとコンプリメントの方法。二)「感情」「認知」「行動」「身体感覚」「環境」の5リソース領域に分けた「トラウマケア・安定化方略」の文脈の臨床適用法。
プロフィール
石井 宏祐(いしい こうすけ)
佐賀大学准教授・ブリーフセラピスト(シニア)・NFBT福岡支部長。
対人援助専門職のアプローチが,嗜癖的でなく脱嗜癖的であるための研究を進めています。
ブリーフセラピスト・臨床心理士・公認心理師として臨床活動や教育活動を行っています。
趣味はキャンプです。「すぼり」という宮崎に残る伝統的な地鶏の炭火焼製法に耽溺しています。
要 約
アディクションを愛着の欠損に対する自己治療としてとらえる考え方が注目を浴びている。しかしブリーフセラピーにおいてはむしろ,アディクション行動へのDo something different! 介入として愛着に着目することが有意義であると考えられる。ブリーフセラピーが愛着をアディクション臨床においていかに役立てることができるか,本ワークショップでは具体的に考えていきたい。
プロフィール
三谷 聖也(みたに せいや)
学歴:東北大学教育学部卒業、同教育学研究科博士前期課程修了、同後期課程単位取得後退学、博士(教育学)
職歴:仙台市児童相談所心理判定員、宮城県SC、みやぎ県南中核病院緩和ケアチーム臨床心理士、愛知教育大学講師、同准教授を経て東北福祉大学教授
主著:『家族心理学 第二版』第12章「発達障害と家族支援」 有斐閣ブックス 2019
「発達障害とライフデザイン支援」家族心理学年報34 金子書房 2016
要 約
発達障害児者の生きにくさは、人とデザインの不一致に由来します。発達障害児者はユニークな適応の努力で対処しようとます。あまりにユニークなのでそれが他者から問題だと見なされることもあります。他者もまた発達障害児者を変えようと試みますが、大抵うまくいきません。本ワークショップでは人とデザインが不一致ならば、「人」を変えることにこだわるのではなく「デザイン」を変えるという比較的シンプルな介入があることを紹介します。
プロフィール
戸田さやか(とだ さやか)NFBTカウンセリング・オフィス東京室長/(株)ファミワン/はらメディカルクリニック
浜野 翼(はまの つばさ)NFBTカウンセリング・オフィス東京室長補佐/市川児童相談所
岡部 弘子(おかべ ひろこ)NFBTカウンセリング・オフィス東京研究員
長谷 るみ(はせ るみ)NFBTカウンセリング・オフィス東京研究員
丸山 亮介(まるやま りょうすけ)NFBTカウンセリング・オフィス東京研究員
要 約
「明日出会うクライエントのために、もっとセラピーが上手くなりたい。」そう願うセラピストにとって、熟達者のセラピーを数多く見る・実践するのは重要なトレーニングである。NFBTカウンセリング・オフィス東京は、スーパーヴァイザーと研究員が実際のクライエントのセラピーを通して砥礪切磋できる、数少ない場と言って良いだろう。本WSでは、当オフィスのトレーニングを紹介する。もっと上手くなりたいセラピストの皆さんはお見逃しなく。
プロフィール
伊東 優(いとう ゆう)宇治おうばく病院
臨床心理士、公認心理師、ブリーフセラピストシニア。精神科を中心とした医療、福祉、産業領域でカウンセリングを行っている。
臼井 卓也(うすい たくや)長岡ヘルスケアセンター
臨床心理士、公認心理師、ブリーフセラピストベーシック。精神科病院での臨床の中心に、障害のある方の就労支援などにも関わっている。
田辺 瑠美(たなべ るみ)龍谷大学こころの相談室
臨床心理士、公認心理師、ブリーフセラピストベーシック。教育相談、単科精神科での臨床経験を経て現在は学生相談に携わっている。
要 約
京都支部では定例プログラム以外にも『Yahoo!知恵袋』(以下、知恵袋)を活用した研修会を行っています。知恵袋に投稿されている質問について、有志のメンバーがLINE上で見立て・ブリッジ・介入に関する協議をし、最適と思われる回答をすることで「ベストアンサー」を目指します。本WSでは、研修の意義と目的、知恵袋を研修に用いる際の倫理的注意事項、研修の実際をお伝えします。
プロフィール
喜多見 学(きたみ まなぶ)
公認心理師/臨床心理士/家族心理士/ブリーフセラピスト・シニア。日本ブリーフセラピー協会埼玉支部長、立正大学心理臨床センター助教、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事、東京公認心理師協会代議員、日本臨床心理士会自死対策専門委員など。
要 約
埼玉支部では、臨床実践に基づいたトレーニングプログラムを紹介します。このプログラムでは、研修参加者がセラピーチームの一員となって,実際にワンセッションのオンラインブリーフセラピーを実施します。3時間で3つの相談を実施し、クライエントからも面接評価をフィードバックしてもらうことで、セラピストとクライエントの双方の視点からの意見を基に、相談事例を検討し、実践に基づいた事例の理解と確かな技術の習得を目指します。
プロフィール
板倉 憲政(いたくら のりまさ)
岐阜大学教育学部・同大学院教育学研究科 准教授
兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科(博士課程) 准教授(兼)
博士(教育学),公認心理師,臨床心理士
家族療法やブリーフセラピーを用いた支援や基礎研究をおこなっています。最近では乳幼児の行動観察の機会が増えてきており、子どもの症状や行動問題の多くが生き抜くために必要な方略であることを実感しています。分不相応ではありますが、学会誌であるIJBFの編集長の役職を担っています。
高木 源(たかぎ げん)
東北福祉大学総合福祉学部 助教。教育学博士、臨床心理士、公認心理師。公立小中学校および私立高校のSC、公立学校共済組合の相談員、NFBTカウンセリングオフィス仙台の相談員、心療内科の心理助手など、様々な領域で実践を行ってきました。最近では、解決志向短期療法のセルフケアの研究において、自然言語処理の知見を応用するために、言語処理100本ノックに取り組んでいます。
要 約
臨床心理学の発展において、事例研究は重要な役割を果たしてきました。事例研究の目的は、1)新しい技法の提示、2)新しい理論・見解の提示、3)治療困難とされるものの治療記録、4)現行学説への挑戦、5)特異例の報告であり、教育・訓練上も重要な意味を持ちます(河合, 1976)。本ワークショップでは、NFBTの学会誌であるIJBFの概要に簡単に触れたうえで、「事例論文の書き方」について基本的な内容をご紹介します。