開催概要
今大会のテーマは、「ブリーフセラピストにとってのアイデンティティとは」とさせていただきました。アイデンティティは広義には、主体性・独自性・同一性・個性の意味があり、またDNA・帰属意識の意味もあります。本大会を通して飛躍的に発展・進化を遂げているブリーフのDNAを感じていただくと共に、ブリーフの匠達からのアーティスティックとも言える、創造的な個性溢れるたくさんのティップス(ヒント・秘訣)をいただき、明日からのセラピーに役立てたいと願っております。
大会メイン企画1 「ブリーフセラピストNo.1選手権 B-1GP」
今年もやります!ブリーフセラピーNo.1選手権(通称B-1グランプリ)。各支部の精鋭がしのぎを削り、視聴者の投票で優勝者が決まる、心理業界ではおきて破りのコンテンツ。もはや、これがなければ日本ブリーフセラピー協会学術会議とは言えないでしょう。オンラインでのB1だからこそできることをと考え、今回は、ワンウェイミラーの外側にいる設定のバックスタッフ役を新たに導入し、セラピスト2名と合わせて3名チームでの参加となります。バックスタッフの存在が、各支部のチーム力の発揮どころという新たな要素を加えてくれる試みとなることを期待しております。
大会メイン企画2 「ブリーフセラピストにとってのアイデンティティとは」
LIVE
特別企画1 シンポジウム 「震災からコロナを越えて、復興(福幸)福島のレジリエンス」
LIVE
ふくしまの心の復興に寄り添い続けるおふたりのお話を通し、コロナ禍を生きる今の私たちにできることを、一緒に考えてまいりましょう。
講師: | 安部 郁子先生(福島大学大学院人間発達文化研究科特任教授) 瀬藤乃理子先生(福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座准教授) |
進行: | 生田 倫子先生(日本ブリーフセラピー協会理事長) |
特別企画2 「小野直広を語る ~門下生を訪ねて~」
「小野直広先生のお名前は聞いたことがあるけど・・・」という若い方が多くなりました。日本ブリーフセラピー協会は、小野直広先生が長谷川先生と共に仙台や千葉、福島、山形などで発足された「短期療法を学ぶ会」が原点です。横須賀大会で好評だった、小野直広先生の足跡や人となりをかかわりのあった方々から話を聞く、通称小野企画の第2弾です。「渡邊類のブリーフ放浪記」「小野先生の人となりに触れるテキスト版」「横須賀大会記録」とお楽しみください。
特別企画3 「人生とアイデンティティとナラティヴ・セラピー」
ナラティブ・セラピーの世界を堪能しましょう。坂本先生には大会テーマにつながるアイデンティティについてのお話をお願いしました。
講師:坂本真佐哉先生(神戸松蔭女子学院大学)
プロフィール
神戸松蔭女子学院大学人間科学部心理学科教授、臨床心理士、公認心理師、日本家族療法学会認定スーパーヴァイザー。琉球大学卒業後、九州大学心療内科での研修中にシステム論にハマり、東豊氏の勤務していた山口県の病院に押しかけ弟子入り。2年間の濃い時間を過ごした後、大学病院でただ一人の心理職として10年間の臨床三昧を経て神戸へ。本務校での副学長職に加え、ひきこもり支援や教育センターなどでのSV、灘中灘高のSCなども務めている。
要 約
ナラティヴ・セラピーは社会構成主義心理療法であり、アイデンティティもまた人々の間で構成されると考える。つまり、アイデンティティは人と人との間で構成されるものであり、社会や人間関係から切り離された形での「本当の自分」を探すことは、会話の拡がりやセラピーの自由度を制限することにつながるかもしれない。会話がクライエントの好む形で拡がりを見せるときこそ、新たなストーリーが紡がれるものであり、そんなことについて語ってみたい。
特別企画4 「私にとっての「解決志向ブリーフセラピー」~何ゆえのブリーフセラピスト?~」
講師:黒沢 幸子先生(目白大学心理学部心理カウンセリング学科/目白大学大学院心理学研究科臨床心理学専攻 教授)
SFAの黒沢 幸子先生から、ブリーフの初学者はもとよりその基礎を学び直す機会にしたいと考えました。さらに、先生の最新の研究や関心のあるテーマにも触れていただき、SFAのこれからを見つめます。
プロフィール
目白大学心理学部/同大学院心理学研究科 特任教授、臨床心理士、公認心理師。KIDSカウンセリング・システム チーフ。上智大学大学院博士前期課程修了。日本心理臨床学会(理事)、日本ブリーフサイコセラピー学会(副会長)等。主著は「未来解決志向のブリーフセラピーへの招待」「やさしい思春期臨床」「指導援助に役立つスクールカウンセリング・ワークブック」「森・黒沢のワークショップで学ぶ解決志向ブリーフセラピー」等。
要 約
私にとっての「解決志向ブリーフセラピー」とはどういうものか、何を大事にしているかについて、日ごろから考えていることなどをお話ししていこうと思います。参加者の皆さんからの質問やコメントを契機に対話が深まっていく中で、何ゆえのブリーフセラピストなのか?を皆さんが自らに問う、そんな時間になるといいなと思っています。
研究発表
口頭発表は、動画配信型(動画ストリーミング再生)です。ポスター発表は静止画埋込型で提示いたします。
※事例発表は、オンライン開催の性質を考慮し、募集いたしません。
※配信ページにチャット掲示版を設けます。発表者は、期間に投稿された質問に対して、3件の回答を下限として期日までにご回答ください。
演題登録に関する詳細は、「演題登録」ページをご覧ください。
①口頭発表
抄録(日本語360字以内、英語100~175語以内)および、収録動画(15-20分)※事例発表は、オンライン開催の性質を考慮し、募集いたしません。
②ポスター発表
一般型抄録(日本語360字以内、英語100~175語以内)および、ポスター(PDF)1頁
提示方法:静止画埋込
テーマ公募型
下記1)〜4)に関する発表を募集します。
抄録(日本語360字以内)および、ポスター(PDF)1頁
応募要件
従来の研究発表と同様に、目的や方法を明確に示すこと。1)ベリーショートケース(事例のエッセンス提示を含む)報告
2)テクノロジーとブリーフセラピーに関する実践・研究のアイディア
3)災害に関する実践または研究報告(Covid-19を含む)
4)質問技法の応用例、新しい質問技法に関する実践報告
自主企画シンポジウム
応募要件
※シンポジウムの最小登壇者数は、話題提供者 2~5名、指定討論者 1~2名、企画者と司会者は他の演役と兼任可、以上3~9名とします。
※概要(日本語360字以内)および、収録動画(60-120分)
※配信ページにチャット掲示版を設けます。発表者は、期間に投稿された質問に対して、3件の回答を下限として、期日までにご回答ください。
※事前収録の動画では、企画者が任意に募集したオーディエンス(画面オフを推奨します)が参加する形も可能です。
大会交流企画
LIVE
対面とオンラインのハイブリッドの懇親会です。B-1グランプリ等各種表彰も行われます。会場にいらっしゃったみなさまも、いらっしゃることができなかったみなさまも、同じ時間をお過ごしできるように様々な工夫をいたします。どうぞ素敵なひと時をお過ごしください。
大会番組『Brief Night NIPPON! 〜個性的なセラピストたちの臨床談義〜 2022』
昨年も大好評だったこの企画は今年も健在です。掛井一徳先生(かけい臨床心理相談室)をパーソナリティーに特別ゲストとのインタラクション(相互作用)をお楽しみください。
特別ゲスト(公開順)
戸田さやか先生(株式会社ファミワン・はらメディカルクリニック・NFBT研究員制度スーパーバイザー)
生田 倫子先生(神奈川県立保健福祉大学・NFBT理事長)
もう1名鋭意交渉中です。
ワークショップ
多彩な講師陣による深い学びのワークショップをお届けします。昨年好評だった、いつでも何度でもご視聴いただける仕組みは今大会も健在、大サービスの2か月間です。多様なテーマをぜひ、お楽しみください。各講師が語る、あるいは示唆しているブリーフセラピーのアイデンティティも、ぜひ探してみてください。
特別編
「ブリーフセラピーとフェミニズム」長谷川 啓三先生(東北大学名誉教授・NFBT代表)
プロフィール
長谷川 啓三(はせがわ けいぞう)
日本ブリーフセラピー協会 代表。米国MRI 海外代表 を長く務め、MRIでは先輩にあたるスティーブ・ドシェーザーとインスー・キム・バーグ夫妻を1986に日本へ初めて招聘。以降、SFAの紹介と学術的な展開に今日も関わっている。
要 約
こんな講演を聞いたことがあります。家父長制を支える自分の母親の生き方を、母親に面と向かって批判し、家を出た、と。私たちの時代から見れば、この、いわば「正面戦」は一方法ではあります。それも歴史的な。しかしその傷つきは致命的なものです。実際、その為に母親の悲惨な落胆や、恐らく自死に近い事も両者にあったのではないでしょうか。 権力の下、娘の教育の機会を守った母を否定して。ブリーフセラピーが加えた方法は、理論からして「円環的」で、可能なら「ぶつからない」で、共同の道に至ろう!という工夫の上にあります。
「リフレクティング・プロセス」花田 里欧子先生(東京女子大学・NFBT国際部門)
プロフィール
花田 里欧子(はなだ りょうこ)
東京女子大学現代教養学部准教授,日本家族心理学会理事,日本ブリーフセラピー協会理事。博士(教育学),公認心理師,臨床心理士。主な著訳書:「パターンの臨床心理学― G. ベイトソンによるコミュニケーション理論の実証的研究」(風間書房,単著),「ナラティヴからコミュニケーションへ―リフレクティング・プロセスの実践」(弘文堂,共著),「トラウマを生きる」(京都大学学術出版会,共著),「事例で学ぶ 生徒指導・進路指導・教育相談 小学校編 [改訂版]」「事例で学ぶ 生徒指導・進路指導・教育相談 中学校・高等学校編 [第3版]」(遠見書房,共編)ほか。
要 約
このワークショップでは講師が院生時代に先輩の三澤文紀先生(現・福島県立医科大学)によってリフレクティング・プロセス(RP)に出会い、学び、実践してきた経験をもとにお話しします。RPの日本における展開とその応用を中心に解説し、RPの基礎的な知識や実際の面接の手順等について学びます。 RPの実施のルールのもとに、希望する人が集まりさえすれば特別な道具は必要ありません、ぜひみなさんも身近なところで実践してみましょう。
「医療現場における精神科医のブリーフセラピー活用術」佐藤 克彦先生(三楽病院精神科科長・NFBT研究員制度スーパーバイザー)
プロフィール
佐藤 克彦(さとう かつひこ)
三楽病院 精神神経科 科長。NFBTカウンセリングオフィス東京 スーパーヴァイザー
要 約
複数のブリーフセラピー関連団体の中でのNFBTのアイデンティティーは、様々な職種の異なる立場の人々が連帯しているという多様性にあると私には思われるのだが、一方で多様性は、アイデンティティー拡散のリスクも孕んでいる。ゆえに肝要なのは、私たち一人一人が自らの職業アイデンティティーを保持すると同時に、ブリーフセラピスト共通のアイデンティティーも共有することになるだろう。本WSは、この課題に精神科医として取り組んだ記録である。
「日本のシングルセッション入門(仮)」喜多見 学先生(株式会社こうゆう・埼玉支部長)
個別WSで申し込まれた方には、個別に事務局から連絡いたします。
フリーパスの方は、大変申し訳ございませんが、公開されているワークショップをお楽しみいただくことでご了承願います。
入門編
「ブリーフセラピー~入門編と上達のトレーニング~」戸田 さやか先生(株式会社ファミワン・はらメディカルクリニック・NFBT研究員制度スーパーバイザー)
プロフィール
戸田 さやか(とだ さやか)
【所属】NFBTカウンセリング・オフィス東京室長、(株)ファミワン、はらメディカルクリニック
【資格】公認心理師、臨床心理士、ブリーフセラピスト・シニア、生殖心理カウンセラー、がん・生殖医療専門心理士。
【学会および社会活動】日本心理臨床学会、日本家族心理学会、日本ブリーフセラピー協会、日本生殖心理学会、日本性科学会。
【専門分野】不妊治療、がん生殖医療、Sexual and Reproductive Health and Rights
要 約
ブリーフセラピーを学びはじめ、様々な書籍を読んで理論等を理解できたなら、その次に目指すのは「ブリーフセラピーをできるようになること」、そして、クライエントさんの役に立てるセラピストになることでしょう。本ワークショップでは、私がセラピストとして意識していることや、どのようなトレーニングを行ってきたか紹介します。トレーニングの思い出についても、少しお話ししています。あたたかいお気持ちで、入門編としてご覧ください。
応用編
「心理検査とブリーフセラピー」伊東 優先生、臼井 卓也先生、福田 凌先生、波多野 久美子先生(京都支部)
プロフィール
伊東 優(公認心理師、臨床心理士、ブリーフセラピスト・シニア)宇治おうばく病院、同志社女子大学・東京女子大学大学院非常勤講師
臼井 卓也(公認心理師、臨床心理士、ブリーフセラピスト・ベーシック)長岡病院/就労移行支援事業所ピオニー
福田 凌(公認心理師、臨床心理士、ブリーフセラピスト・ベーシック)長岡病院、学校法人河合塾
波多野 久美子(公認心理師、臨床心理士)栄仁会カウンセリングセンター、京都府・市スクールカウンセラー
要 約
心理検査のアセスメント・フィードバックにブリーフセラピーのシステム論、相互作用論をどう活かすのか、ブリーフセラピーの面接展開に心理検査というコンテンツをどう活かすのか。互いにユーティライズし合うためのエッセンスについて、病院勤務のブリーフセラピスト4名が事例を交えながら座談会形式でお届けします。心理検査を普段とっている方も、そうでない方もぜひご視聴ください。
研究編
「短期/家族療法研究入門1―量的研究―」高木 源先生(東北福祉大学)
※高木先生WSのスライド資料は、掲示板内に追加しました。
プロフィール
高木 源(たかぎ げん)
東北福祉大学総合福祉学部福祉心理学科 助教。臨床心理士、公認心理師。博士論文では、「解決志向短期療法の効果に関する研究―セルフケアツールの開発―」というタイトルで、量的研究の結果をまとめました。最近では、自然言語処理の知見をセルフケアに応用する試みを行っています。これまで、多くの研究に携わる中で、蓄積してきた量的研究のノウハウをお伝えできるように、今回のワークショップの動画を作成しました。少しでも参考となれば嬉しいです。
要 約
心理学における量的研究の特徴は、多くの人を対象として調査を行い、統計手法を用いて、対象となる人々の一般的な心の傾向を理解しようとする点にある。量的研究を実施するためには、問題の設定、先行研究の整理、質問紙の作成、調査の実施、分析、考察など多くの段階が存在する。本ワークショップでは、心理学の量的研究に関心を持つ人が、実際に研究を実施するための第一歩を踏み出せるように、量的研究の実施方法について具体的に解説する。
「短期/家族療法研究入門2―質的研究―」大坊 沙理菜先生(医療法人真彰会ひめかみ病院 心理士)
プロフィール
大坊 沙理菜(だいぼう さりな)
医療法人真彰会ひめかみ病院にて、心理士として勤務しています。大学院時代は、岩手大学大学院にて、奥野雅子先生のゼミに所属しました。葬式や法要などの儀式と、家族関係再構築との関連をテーマに、僧侶や、家族員を亡くされた経験のある方々に協力を頂き、研究を行いました。就職後も、学会や学会誌などで研究結果を発表する機会を頂いています。
要 約
研究法のうち、質的研究は、短期/家族療法研究において、どのように活用されるのでしょうか。今回は、主に修正版グラウンデッドセオリーアプローチを取り上げます。具体的な手順を説明しながら、当該研究法の性質であるインターラクティブ性と、短期/家族療法研究との関係性を紹介します。以上を通して、短期/家族療法研究における質的研究の位置づけについて検討します。
「短期/家族療法研究入門3―文献の読み方―」小林 智先生(新潟青陵大学・新潟支部支部長)
プロフィール
小林 智(こばやし たく)
新潟青陵大学大学院 臨床心理学研究科 准教授。仙台市・宮城県・学校法人菅原学園スクールカウンセラー、仙台市役所厚生課リワーク室心理士、公立学校教員共済組合宮城支部カウンセラー、宮城県介護労働安定センターカウンセラー、クラーク記念国際高等学校仙台キャンパス女子野球部メンタルコーチ、東北文化学園大学保健福祉学科助教、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科助教などを経て、2022年4月より現職。
要 約
書籍を中心とした文献からの学びを普段の臨床実践に活かすための方法について紹介する。文献を精読し臨床実践への活用へと至るプロセスを「文献購読を通じたスーパーヴィジョン(以下、SV)」と捉え、短期家族療法におけるSVのポイント(宋・東・黒沢, 2021)を踏まえて、自分自身の臨床におけるスタンスや臨床観(臨床家アイデンティ)について考え、自分自身の課題や強みを見つめて文献購読を進めるまでのプロセスを解説する。初学者向け内容である。
領域別(医療編)
「[再演]緩和ケアとブリーフセラピー」三谷 聖也先生(東北福祉大学)
プロフィール
三谷 聖也(みたに せいや)
学歴:東北大学教育学部卒業、同教育学研究科博士前期課程修了、同後期課程単位取得後退学、博士(教育学)
職歴:仙台市児童相談所心理判定員、宮城県SC、みやぎ県南中核病院緩和ケアチーム臨床心理士、愛知教育大学講師、同准教授を経て東北福祉大学教授
主著:「エンドオブライフ期における家族支援」家族心理学年報36 金子書房 2016、「ブリーフセラピーを援用したデスカンファレンス―過去の意味づけは変えられる」、月刊「緩和ケア」Vol.27 No.6 2017
要 約
好評につき再演決定!NFBT学術会議2020のWSの再演です。緩和ケアと聞くと死の受容など実存的な悩みをイメージしますが、実際には人の悩みは死の直前まで現実的であり、悩み方も特別ではなくこれまで悩んできたように悩むのです。死を前にして支援者が回避的或いは過度に献身的であるならば、それは主訴を聴くという基本から離れている時なのです。主訴の明確化をはじめブリーフセラピーの基本に忠実であることは、緩和ケアの実践で大いに助けとなるのです。
領域別(福祉編)
「福祉領域(児童虐待対応)におけるブリーフセラピー」浜野 翼先生(千葉県庁 児童家庭課・NFBT研究員制度スーパーバイザー)
プロフィール
浜野 翼(はまの つばさ)
心理職として2012年に千葉県庁に入庁後、県内の児童相談所にて児童心理司、児童福祉司としてそれぞれ5年間、計10年間職務を行う。令和4年度から本庁勤務となり、児童相談所の運営にかかわる職務に就いている。
日本ブリーフセラピー協会では、2015年より千葉支部に所属している。B-1グランプリ2017と2018で連覇を果たしている。また協会本部が運営する、カウンセリング・オフィス東京にてスーパーバイザー兼、室長補佐を務めている。
要 約
ブリーフセラピーや家族療法の考え方や技術は、これまで福祉業界にも大きな影響を与えてきており、現在も現場の様々な場面で応用されている。そして昨今、児童福祉分野では、虐待問題が深刻化する中で、その取り入れ方に新たな展開も見せている。本ワークショップでは、そもそも児童相談所がどんな施設、組織なのかについて解説する。そして近年注目を浴びている、ブリーフセラピーの影響を強く受けた、虐待対応の最新の方法論について紹介していく。
領域別(教育編)
「学校臨床のブリーフセラピー ―使い方と伝え方―」浅井 継悟先生(北海道教育大学・北海道支部長)
プロフィール
浅井 継悟(あさい けいご)
北海道教育大学釧路校 准教授。臨床心理士、公認心理師。公立小学校 非常勤講師、小・中・高等学校のスクールカウンセラー(SC)、公立学校共済組合宮城支部 心理相談員、コミュニティ・スクール推進委員など、様々な立場から学校現場と関わってきた。
大学では、教員志望の大学生や現職教員を含む社会人大学院生を対象に、短期療法を学ぶ会北海道支部では、ブリーフセラピーに関心を持つ対人援助職者を対象にブリーフセラピーを教えている。
要 約
このワークショップでは、ブリーフセラピーの学校現場での活用について、「使い方」だけでなく、これまであまり扱われてこなかった「伝え方」についても紹介をする。「使い方」については、目標(Goal)を絞り込むことを中心に解説をする。「伝え方」については、学級活動の中で実践できる児童・生徒への伝え方、研修を活用した教員への伝え方について触れる。現職教員やSCだけでなく、学校現場との接点が薄い方にもぜひ受講していただきたい。
「保健室とブリーフセラピー」岩本 脩平先生(ファミリーカウンセリングルーム松ヶ崎ふくらむ)
プロフィール
岩本 脩平(いわもと しゅうへい)
ファミリーカウンセリングルーム松ヶ崎ふくらむ代表カウンセラー。臨床心理士・公認心理師・ブリーフセラピストシニア。短期療法を学ぶ会京都支部講師。同志社中学校・高等学校特別支援教育指導員、京都市スクールカウンセラーとして教育現場とかかわりを持ってきました。思い返してみれば駆け出しの私を育ててくれたのは養護教諭の先生方だったと思います。素敵な先生方との出会いに鍛えてもらうとともに助けられていると感じています。
要 約
小野直広先生は天性のブリーフセラピストとして活躍しておられる養護教諭のことを「魔女」と評しておられました。学校ではさまざまな魔女が素晴らしい実践をしておられます。本WSでは、養護教諭の先生方がナチュラルに行っている対応をブリーフセラピーの観点から考察し、保健室業務とブリーフセラピーとのつながりを考えます。養護教諭の方だけでなく、学校臨床にかかわるみなさまに視聴していただければ幸いです。
領域別(産業編)
「産業臨床におけるブリーフセラピー」森川 友晴先生(チェリッシュグロウ株式会社・千葉支部長・NFBT研究員制度スーパーバイザー)
プロフィール
森川 友晴(もりかわ ともはる)
チェリッシュグロウ株式会社 代表取締役。大学卒業後、株式会社モスフードサービスに入社。モスバーガーの店長、人事部、教育部にて勤務。35歳で転職し、研修会社の商品開発部の課長職。40歳でブリーフセラピーに出会い、それがきっかけで起業。今は企業向けコンサルタントとスクールカウンセラーの2足のわらじ。公認心理師とビジネスコーチとキャリアコンサルタントの3刀流使いです。
要 約
本ワークショップは産業臨床におけるブリーフセラピーの活用について扱います。産業臨床においては短期的に、かつ効果的に臨床を進める必要がある場面においてブリーフセラピーが有効な場面が多く存在します。本ワークショップでは、企業カウンセラーとしてブリーフセラピーをどこでどのように活用しているのかといった事例を紹介して参ります。ご覧いただいた皆さまが産業臨床の場面を具体的にイメージできることを目指します。
領域別(司法編)
「司法領域でのブリーフセラピー」駒場 優子先生(法務省矯正局府中刑務所教育部)
プロフィール
駒場 優子(こまば ゆうこ)
臨床心理士資格取得後、公立学校スクールカウンセラー、法務省矯正局(府中)刑務所教育部 処遇カウンセラー(主として性犯罪再犯防止指導担当)、保育園・幼稚園 巡回発達心理相談員、中野区児童相談所一時保護所心理療法担当など、心理士として勤務。専門は、発達心理学、犯罪心理学、短期・家族療法、グループ療法。
要 約
司法領域でのブリーフセラピーというテーマで、加害者臨床の中でのブリーフセラピーの使いどころを紹介する。具体的には、刑事施設内の再犯防止指導、加害者家族支援、情状鑑定などの心理的支援の中でブリーフセラビーの考え方、のぞみ方がどう活かされるのかについて、経験を踏まえてお伝えしたい。司法領域の臨床活動に興味を持ってもらえたら(面白いよ!)、という願いをこめて動画を作成した。
東北の絆と災害支援編
「スピリチュアルケアにおけるブリーフセラピー」奥野 雅子先生(岩手大学・盛岡支部長)
プロフィール
奥野 雅子(おくの まさこ)
岩手大学教授/博士(教育学)/臨床心理士/公認心理師/薬剤師。薬剤師として13年勤務した後、渡米し、3年間ニューヨーク在住。その間アメリカの大学院に入学して心理学を学ぶ。帰国後東北大学大学院教育学研究科に入学し、博士課程在学中から教育や医療の現場で相談業務を行う。2010年、安田女子大学心理学部准教授を経て、2013年4月から現在まで、岩手大学で研究と教育に従事。ブリーフセラピーをジェンダーの視点からの研究、スピリチュアルケアの研究を行っている。
要 約
スピリチュアルケアを実践する中でブリーフセラピーをどのように行えるかについて皆さんと考えたいと思います。スピリチュアルケアは生きる意味や目的を失って苦悩している人たちへの支援です。つまり、死に向かう終末期の患者に関わることであります。よって、問題トークを解決トークに効果的に変換することが解決の強制となり、悪循環を生起するリスクがあります。そこで、スピリチュアルケアにおいてミニマムな支援としてのブリーフセラピーを提案したいと思います。動画に音楽を挿入していますのでそれも楽しんでくださいね。
「井上円了と森田正馬 ~心理療法について~」若島 孔文先生(東北大学・NFBT研究員制度チーフトレーナー)
プロフィール
若島 孔文(わかしま こうぶん)
東北大学大学院教育学研究科・教育心理学講座・臨床心理学分野・教授。NFBTカウンセリングオフィス東京代表、NFBTカウンセリングオフィス仙台スーパーヴァイザー。社会活動として、日本家族心理学会理事長、国際家族心理学会副会長、日本心理臨床学会代議員、日本カウンセリング学会編集委員、日本ブリーフセラピー協会チーフトレーナー、海上保安庁第三管区および第二管区心の健康対策ネットワーク委員会委員など。
要 約
1904年(明治37年)に著書『心理療法』を世に提示したのが井上円了先生です。「心理療法」という言葉を日本で最初に提示したと言ってもよいでしょう。そして、今から約100年前(1928年)に体系的な心理療法(精神療法)を創造したのが森田正馬先生です。体系的な最初の心理療法が精神分析だとすると、それに次ぐ2番目の体系的な心理療法であると言えます。こうした井上円了先生および森田正馬先生の研究について探究・検討し、彼らが示した知見について学び、現在の心理学や心理療法における課題を導き出すことをこのワークショップの目的としています。
「効果的な遠隔心理支援のために」平泉 拓先生(宮城大学・仙台支部長)
プロフィール
平泉 拓(ひらいずみ たく)
宮城大学看護学群 准教授。博士(教育学),公認心理師,臨床心理士。
仙台市スクールカウンセラー,日本学術振興会 特別研究員,東日本PTG心理社会支援機構 相談員,宮城大学学生相談室 カウンセラー,東北福祉大学総合福祉学部 助教を経て現職。その他,国立病院機構仙台西多賀病院 非常勤心理士,慈慶トータルサポートセンター カウンセラー,(株)manaby 顧問,(株)仙台村田製作所メンタルヘルス顧問,VCPカウンセリングオフィス仙台主宰 他。
要 約
ここ3年ほどで,ようやく遠隔心理支援をブリーフに操る方法が見えてきました。遠隔心理支援は離れた地点で遠隔コミュニケーションや情報通信技術を用いて心理支援を提供することです。本ワークショップでは,遠隔心理支援を効果的にマネジメントするブリーフセラピーの理論,技法及びTipsを学ぶことができる機会にいたします。
「①タテ・②ヨコ・③グルっとアセスメントに基づいた不登校児童生徒の保護者コンサルテーション」佐藤 宏平先生(山形大学・山形支部長)
プロフィール
佐藤 宏平(さとうこうへい)
山形大学地域教育文化学部 教授 博士(教育学)
専門:家族心理学、臨床心理学、生徒指導
資格:公認心理師、臨床心理士、シニアブリーフセラピスト
山形大学地域教育文化学部において学部、大学院の講義、ゼミを担当するかたわら、教職研究総合センター附属心理教育相談室にて大学院生と地域の相談にあたっている。また、地域の中学校、高校におけるスクールカウンセラー、病院等の相談員として相談活動に従事している。
要 約
本WSでは、まず本邦における不登校児童生徒数、出現率等、不登校問題の概観について確認しつつ、①タテ、②ヨコ、③グルっとアセスメント(見立て)について、不登校児童生徒の保護者コンサルテーションにおける活用も含め、わかりやすくお話させていただきます。学校の先生方、スクールカウンセラーの先生方、その他不登校や引きこもり支援に携わる先生方を主な対象としておりますが、これら以外の先生方にも広く受講いただけますと幸いです。
「遠隔心理支援の実際 ~被災地での試みから~」桃井 真帆先生(福島県立医科大学)
プロフィール
桃井 真帆(ももい まほ)
福島大学大学院教育学研究科修了後、福島県立医科大学附属病院心身医療科、雲雀ケ丘病院等で臨床心理士として勤務。平成13年より福島学院大学で臨床心理士や精神保健福祉士等の養成、発達相談や不登校等のカウンセリング業務に従事する。平成27年4月より、福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター「こころの健康度・生活習慣調査支援室」の副室長として勤務。(公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士)
要 約
東日本大震災後より福島県が実施している県民健康調査「こころの健康度・生活習慣に関する調査」は、避難区域等の住民約21万人を対象とし、住民の心身の状況を把握し、専門職によるアウトリーチ型(架電による)電話支援を行っている。これは、原発事故による広域避難や感染症パンデミックなど直接支援が難しい状況下で有効な心理支援の一つである。震災後10年で延べ3万人に行った電話支援について紹介し、遠隔支援の可能性について考えたい。
「災害の備えとしてのブリーフセラピー的心理教育:初期支援を中心に」狐塚 貴博先生(名古屋大学・NFBT理事)
プロフィール
狐塚 貴博(こづか たかひろ)
名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授。臨床心理学、家族心理学に基づき、環境や人間関係といった“つながり”から、心理支援の対象となる問題や課題を理解し、援助する基礎理論と方法論を研究しています。
要 約
災害大国といわれる日本において、心理・社会的支援のあり方に関する本格的な議論が始まったのは、概ね四半世紀前からと短い。しかしこの間に主要なガイドラインやさまざまな知見が紹介され、また実践的、経験的な知の蓄積がみられます。本ワークショップでは、災害の備えとして、主要なガイドラインの要点を概観し、ブリーフセラピーとの接点や相性の良さについて説明してみたいと思います。その上で、ブリーフセラピーの観点から、具体例を交え、初期支援の不可欠、且つ最も重要な関わりのコツを提供します。
リバイバル上映編
2020・2021年の学術会議終了後から、「とても勉強になる。何度でも見たい。」「見逃したのでぜひ再上映を!」とのリクエストが多かったあのプログラムが再上映されます。また、佐藤克彦先生のお計らいにより、「数学のお葬式 基礎編」が福島大会とのコラボ企画で登場します。併せてお楽しみください。
『匠が隣で面接している!! ヴァーチャルリアリティによる陪席体験』
誰しもが著名な先生方の陪席を体験してみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。通常は、先生がいる大学院に入学したり、弟子として雇ってもらわないと体験できません。しかし、コロナ禍によりオンライン開催となったことをむしろ生かした企画として、この度は、その希望をヴァーチャルリアリティによって叶えます。セラピスト役は、認知行動療法/スキーマ療法を専門とする伊藤絵美先生(洗足ストレスコーピング・サポートオフィス 所長)、とブリーフセラピーの若島孔文先生です。伊藤絵美先生は、認知行動療法の理論と実践の両方において第一線でご活躍されている先生で、そのご著書は認知行動療法を理解するうえで必読本です。若島孔文先生(東北大学大学院教育学研究科 教授)も「伊藤絵美先生が出るなら」ということで、今回の企画にご協力を頂きました。伊藤絵美先生と若島孔文先生は「心理療法の交差点2」において、それぞれスキーマ療法とブリーフセラピーの専門家として共演されています。この度は、そんなお二人の面接(ロールプレイ)を360度カメラにより撮影を行い、普段では体験できない距離感で先生方の面接を体感していただきます。ロールプレイの実践に対する解説編もご用意しております。ぜひ、先生方のご著書を読んだうえで、スマートフォンを用意して、理論と実践、認知行動療法とブリーフセラピーをご体感ください。(2020年第12回学術会議概要より)
「数学のお葬式 応用編: 臨床のパラドックス」佐藤 克彦先生(三楽病院精神科科長・NFBT研究員制度スーパーバイザー)
あの名ワークショップが帰ってきた!!2020年2月に京都・大阪・神戸の3支部合同のワークショップとして実施された「数学のお葬式2020」が、臨床場面での応用に特に焦点を当てて説明されます。
MRIブリーフセラピーの古典的名著には数式が登場します。これまでなんとなくの理解で済ませてきた方も、初めから避けてきた方も、この機会にじっくり学んでみませんか?(2021年第13回学術会議概要より)
数学のお葬式2021基礎編 *再配信*
その他
※配信ページにチャット掲示版を設けます。講師の先生には、期間に投稿された質問に対して、期日までにご回答いただきます。(3件の回答を下限)。
拡大理事会(NFBT理事・各支部長)
大会実行委員
渡邊 恭子(短期療法を学ぶ会・福島支部)(副大会長)
棯木 雄史(短期療法を学ぶ会・福島支部)(事務局長)
井上 智博(日本ブリーフセラピー協会)
掛井 一徳(日本ブリーフセラピー協会)
齋藤 かほ(日本ブリーフセラピー協会)
中島 卓裕(日本ブリーフセラピー協会)
岩崎 恵美(短期療法を学ぶ会・神戸支部)
林 紀代子(短期療法を学ぶ会・神戸支部)
石原 俊一(短期療法を学ぶ会・福島支部)
岸 竜馬(短期療法を学ぶ会・福島支部)
小松はる佳(短期療法を学ぶ会・福島支部)
高橋 泉(短期療法を学ぶ会・福島支部)
高橋 淳子(短期療法を学ぶ会・福島支部)
中林 徳子(短期療法を学ぶ会・福島支部)
武藤由喜子(短期療法を学ぶ会・福島支部)
渡辺 紀枝(短期療法を学ぶ会・福島支部)